インフレ inflation 2004 9 9
みんな、デフレに懲りたはずなのに、
相変わらず、インフレと聞くと、警戒感を示しますね。
これは、「羮に懲りて膾を吹く」ようなものです。
確かに、歴史を振り返れば、極端なインフレがあったでしょう。
しかし、資本主義というものは、適度なインフレを前提としているのです。
だから、適度なインフレは、むしろ歓迎すべきなのです。
資本主義とは、価値の創造です。
今ある価値が古くなったら、新しい価値を創造していくのです。
古い価値に新しい価値を付け加えていくのです。
資本主義とは、拡大の歴史だったのです。
もちろん、急拡大は困りますが、適度な拡大が必要です。
時々、資本主義市場では、創造的破壊が起きますが、
それは、資本主義市場における新陳代謝のようなものです。
創造的破壊という言葉が悪いならば、価値革命と言いましょう。
資本主義とは、適度な拡大と価値革命で成り立っているのです。
膾を吹く hot ICRM 2004 8 18
今の株式市場は、
「羮に懲りて膾を吹く」という状態でしょうか。
特に、機関投資家に、その傾向があるでしょう。
そういうわけで、こうした大口の投資家は、
国債市場へ向かっているのでしょう。
しかし、国債相場というものは、
短期的には安全かもしれませんが、
将来、長期金利の上昇は避けられないのです。
「少子高齢化での国債相場」というものを考えておくべきです。
同じく、「少子高齢化での不動産相場」も考える必要があります。
こうしたものは、長期的には、休火山のようなものです。
すでに、国債相場は、昨年の夏に噴火したでしょう。
あの時は、小規模な噴火でしたので、
まだ羮に懲りる段階ではないのかもしれません。
今の株式市場は、探せば、いくらでも弱気になる材料はあるでしょう。
しかし、極端なことを言えば、大不況の時ですら、成長している企業はあったのです。
最近では、山一証券の倒産など、日本経済が最悪と言われた時期でも、
成長していた企業はあるのです。
ピンチの時こそ、チャンスなのです。
安定成長の時は、大企業の支配力が強いのです。
しかし、混乱期は、新興企業にチャンスが出てくるのです。
これは、プロ野球も同じでしょう。
主力選手が活躍している時は、どんなに優秀な新人選手でも出番はありません。
しかし、主力選手が故障した時こそ、
あるいは、主力選手がスランプになった時こそ、新人選手の出番になるのです。
(参考)
「羮に懲りて膾を吹く」という、ことわざがあります。
これは、羮の熱さに懲りて、冷たい膾をも、吹いて食べるという意味です。
一度失敗したことに懲りて、無益な用心をすることのたとえです。
現代風に言えば、熱いチーズを食べて、それに懲りて、
冷たいバニラのアイスクリームも、吹いて、冷ましてから食べることでしょうか。
(注)
膾 a dish of raw fish and vegetables seasoned in vinegar
羮 clean soup